MLBのイチローが先日引退を発表されました。そこで少し気になったのが、父チチロー(鈴木宣之)の存在です。NPB時代はよく父親の存在について触れる機会がありましたが、渡米後から引退会見に至るまで、不自然なほどイチローがチチローについて触れることはなくなりました。
確執のウワサやその原因、鈴木宣之さんの現在について紹介します。
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イチロー引退についてコメント
名古屋のご自宅前で取材陣の質問にいくつか答えておられました。
#イチロー の父の鈴木宣之さんは「今まで培ったものを生かす人生を続けてほしい」と話しています。https://t.co/t0LYdFkRZ7
— 毎日新聞 (@mainichi) 2019年3月23日
こちらはインタビュー動画。まだまだお元気です。そしてご自宅がかなりの豪邸です。実はこの豪邸はイチローがプレゼントしたと言われています。(しかし鈴木宣之さんも会社を経営しており、それなりに裕福な家庭だったことは想像できます。)
イチロー引退についてチチローの言葉を書き起こしします。
「今回は引退の花道になるんじゃないかなと予想していたが…。試合前に(イチロー夫人の)弓子さんから『きょうの試合が終わったら引退します』とはっきりと聞きました。しっかりと(プレーしている姿を)目に焼き付けました」
子供の頃のイチローについて
「あのころは篠塚さん(元巨人)、田尾さん(元中日など)らの(打ち方の)マネをしていた。そこから独自のものを作っていった。あの小さな子がメジャーリーガーとして45歳のここまでよくやってきたなと。涙が抑えられなかった」
一応引退の試合は東京ドームで現地観戦したらしいのですが、何と今回イチローと直接会う機会はありませんでした。母親とは定期的に会っているようなので親子絶縁とまではいきませんが、父と子はかつての名物親子のような関係ではないようです。
(メールでは来日前に激励を送り、「ありがとうございました」とイチローから返信があったとお話していました)
福島弓子からのメールを公開
ちょっと気になったのはイチローの嫁さんである福島弓子さんとのやりとりメールも公開していたことです。
「お父さん、これからイチロー君とシアトルにいきます。
>昨夜は最高の忘れられない日になったと言っていました。
>お父さん、お母さんもお体に気をつけてください」
これは携帯電話を直接見せていました。
イチローは引退試合の後、菊池雄星に何という言葉をかけたのかと記者に質問された際、個人的なことだからここでいうことではないと言っていました。
そんな信念を持っている方なので、デリカシーのないチチローの行動はイチローにとっては、あまり気持ちのいいものではないのかもしれません。
不仲説は本当なのか
イチローが引退のときに感謝を表したのは、嫁さんである福島弓子さんと犬の一弓に対してでした。
二人三脚でやってきた父に対してはノーコメントです。不仲のウワサは割と有名なのですが、数多くの記者陣から父についての質問が飛ぶことはありませんでした。これは事前に父に関しての質問はNGと通達があったと考えるのが自然です。
今回も直接会ってはいませんし、イチロー杯に父親が姿を見せることは無くなりました。しかしイチロー記念館にトロフィーや記念バットは送ったりしているようなので、絶縁というわけではありません。
ピートローズを抜いた安打記録のときも父はコメントしていました。
(6分25秒からチチローインタビュー)
安打記録に関して、100年間の大事業に関しては99年の準備期間が必要。そういう意味をもって頑張ってもらいたいと思う。
(バッティングは)まだ極めてない。まだまだです。そんなこと言ったら張本勲さんに怒られる。とイチローの父らしい独特の言い回しで安打記録をお祝いしていました。
イチローとの確執の原因
いくつか言われている説をまとめます。
・イチロー福島弓子夫妻に子供がいない
・イチローのお金を管理していた時に起こしたチチローの税金申告漏れ騒動
・イチローの稼いだお金の管理を福島弓子がするように
・プロ入り後も少年時代と同じノリでイチローに干渉
・イチローの性格が変わっている
チチロー世代にとっては子供をつくるのが当たり前というような価値観の方も多いです。イチロー夫妻にどういう事情があるのか分かりませんが、子供は現在もいません。それに関してチチローとイチローの間で何か意見の相違があった可能性もあるでしょう。
あとは税金の申告漏れもありました。
9000万円申告漏れで、イチローがオリックスに所属していたときに出演したCM出演料などを、自身が社長となっている会社の所得に計上してしまい、名古屋国税局にバレてしまいました。この時イチローはかなり父親に怒ったと言われています。
そういった経緯があったからなのか、現在イチローの資産は奥さんの福島弓子さんが管理しています。これまで血のつながった家族でイチローの資産を管理していた父親からすると、あまり面白くはない状況かもしれません。
福島弓子との不仲はあり得ない
福島弓子さんとの不仲説もありますが、それはないと思います。
というかイチロー引退の際もイチローとチチローの仲を取り持っている感じでしたし、むしろ彼女がいることでかろうじて完全に疎遠にならずに済んでいるような気がします。
これに関しては福島弓子さんが立派だと思います。旦那と関係がよろしくない義理の父とうまくやるのはそう簡単なことではありません。
チチローの現在
愛知県豊山町に豪邸を構え、イチロー記念館アイ・ファインの運営会社BTRの代表取締役を務める実業家です。
というか実はイチローが生まれる前に機械部品製造会社を設立するなど、そこそこ裕福であったため毎日イチローをバッティングセンターで練習させる経済的余裕がありました。更にはオフィスイチローというイチローの権利関係を管理する事務所の代表取締役でもあります。
野球指導者としてだけでなく、経営者としても実は才能ある方なんですね。
ただ後述するように、イチローの高校時代などはイチローにつきっきりだったので、奥様(イチローの母)が実質的な経営者だったともいわれています。
あとは作家でもあります。
『父と息子 イチローと私の二十一年』
『イチローとわが家ほんとうの話』
『イチローと13人の仲間 野球少年「鈴木一朗」物語』
『溺愛 我が子イチロー』
『大リーガーイチローの少年時代』
『いちばん好きなこと一直線 子育ては、父親最大の仕事』
という6冊の本を出版されるなど多才ぶりを発揮しています。
チチローなくしてイチローなし
イチローは少年時代から高校時代まで、とんでもない野球の英才教育を受けていたことで有名です。面白いエピソードを以下にまとめます。
・午後3時半にはグラウンドにくる、4時の練習開始とともにバックネット裏のベンチに座ってイチローを監視
・イチローがブルペンに行くと父もブルペンに移動
・部員が夕食をとってる時は車で待機
・夕食後に自主練が始まると再びイチロー監視を始め自主練が終る午後10時まで監視を続ける
・監督の指導には文句は一切言わない イチローを見てるだけで声をかけたりはしない(たまに我慢できずジェスチャーのみで何かを伝えようとしてた)
・ほぼ毎日きてイチローを監視 雨の日でも練習休みでミーティングのみの日も来る
・最初は先輩や他の部員は馬鹿にしてからかっていたが、あまりにも毎日くるのでたまに来ない日があると病気になったんじゃないか、事故じゃないかとみんなで心配するほどに
・真冬でも毎日監視にくる、監督が気を利かせてこっちにきて火に当たらないかと声をかけたらイチローが寒い思いをしてるのに自分だけ温まることはできないと固辞
・なおイチローは相当嫌がっていて名電の監督コーチ陣ははチチローの存在がかなりうっとおしいと思っていたもよう
はっきりって正気の沙汰ではありません。
実はイチローには鈴木一泰さんという兄もいました。チチローは彼にも野球の英才教育を施していたようですが、イチローにとんでもない素質があると見抜いた父は、次第にイチローの指導に集中するようになります。
(ちなみに兄の鈴木一泰さんは現在デザイナー。一級建築士の資格も持っているようで、立派に成功しておられます。)
あと毎日部活動の現場を見に来ていたのは、指導やコーチへの圧力ではなく、投球とバッティングのフォームを変えさせないかどうか監視と牽制の意味合いが強かったようです。
野茂英雄も近鉄入りした時の条件がトルネード投法といわれた投球フォームに口を出さないというものでした。メジャーリーグと違って日本の指導者たちはある程度均一化させようとする傾向があるので、この父の考えは結果的に大成功となりました。
プロに入ってから当然監視行為はなくなりますが、川崎宗則を雇って監視を続けていたというウワサすらあります。
父の手を離れて更に成長したイチロー
上記のエピソードから分かるように、チチローなくしてイチローは大成しなかったでしょう。
ただ一方でイチローは高校卒業時点ではドラフト4位だったという事実もあります。イチローは父の手を離れてから加速度的に才能を伸ばしていったので、彼自身のがんばりがメジャーリーグでも突出した成績を残すまでの選手へと成長させました。
とはいえチチローさんも立派で、イチローがプロ入りで貰った契約金4000万円を、しっかりといイチローのために取っておいたそうです。
仲直りはすると思う
修復不可能な仲違いの状況ではありませんし、いってみればよくある親子喧嘩や一般的な家庭の不仲と同じような状況です。
しかし一般家庭を大きく違うのは、彼らはとんでもないお金持ちだということです。お金が原因の喧嘩はなかなか溝が埋まりませんが、裕福であれば心に余裕もあるはずですし、引退して時間がたてば親子関係も良い方向に向いていくのではないでしょうか。
また一緒にテレビで談笑してるところでも見てみたいですね。以上イチローの父、鈴木宣之さんについての情報でした。