谷川貞治さんの現在について
谷川貞治さんといえば、石井和義館長が失脚した後に格闘技イベントK-1プロデューサーに就任、ボブサップを筆頭としたモンスター路線で一時はk1を大みそかの恒例イベントとして定着させるなど手腕を発揮していました。
しかしながら谷川体制k1の隆盛は長くは続かず崩壊、谷川貞治さんも選手から「パペットは信用できない」と揶揄される等完全に悪者になってしまいます。現在はどうされているのでしょうか。
谷川貞治の現在
松島輔時生さんという業界人のインスタにて2019年11月に登場しています。
但し松島輔時生さんは割と過去の写真もアップロードされているようなので、リアルタイムでの谷川貞治さんではない可能性もあります。
小龍 DATEがTD巌流島四兄弟で最年少勝利‼️
谷川プロデューサー❗️
本日はありがとうございました❗️
今後とも宜しくお願い致します🙇Team DATE 武術四姉妹#ティームDATE #TeamDATE #巌流島 pic.twitter.com/dCaIP07L9d
— TD 武術姉妹 Official (@bujutu_comedy) 2019年5月11日
その場合はこれが2020年4月現時点で最新の谷川貞治さんです。
k1崩壊で失脚した後に「巌流島」という新興の格闘技イベントプロデューサーとして復帰されており、この写真も巌流島興行での一幕です。このイベントは一時フジ系列のCS放送までこぎつけていましたが、ほどなく打ち切り、谷川貞治氏も落胆していました。この経緯については後述します。
巌流島は2019年まではイベントを開催していましたが、2020年はイベント無しのようで、1年近く新たな情報が聞こえてきません。(巌流島の立ち上げにかかわった柴田和則さんが新たに立ち上げた、女子武道「凛」という類似イベントが2020年4月に開催予定でしたが、こちらもコロナウイルスの影響で中止となっています)
巌流島、本当にこの短期間で我ながらよくできました。ご協力いただいた選手や関係者の皆さんには、本当に感謝します。大会もいい大会でした。やっぱり巌流島のコンセプトは面白い! 私も久しぶりに全試合、堪能できました。武道エンターテイメントには、ホント、可能性があります。#巌流島
— 谷川貞治[5・11 巌流島・舞浜] (@SadaharuTany) 2019年5月11日
個人的には敬天愛人は子供が楽しめる方向にどんどん純化して行った方がええやろうね。巌流島は不純物も混じったカオスも含んだ世界観で良いと思う。例えとして正しいかは分からんが敬天愛人が世界観が統一されたディズニーランドなら巌流島は流行りをどんどん取り入れてUSJみたいに成って欲しい。
— アキ:七戸龍VT参戦して欲しい。 (@aki7778) 2019年6月19日
こちらは谷川貞治さんの公式ツイッターアカウント。
2019年6月のリツイートを最後に更新が途絶えています。Facebookも開設されていたようですがこちらは現在アカウントごと削除されているようで閲覧できませんでいた。
同じ時代にプライドで借金をこしらえたと思われる山口日昇さんも現在近況が分からなくなっており、やや状況が心配ではあります。
選手達の谷川貞治評
谷川貞治さんへの不満を直接こぼす選手達は少なくありません。イベント存続中から鬱憤は溜まっていたのかもしれませんが、崩壊してからはタガが外れたように言われ放題です。
ジェロムレバンナ(2011年に発言)
「石井館長や猪木さんは尊敬しているが、K―1を仕切っていたパペットみたいなのがいただろう?谷川だよ。谷川は信頼できない」
バンナはギャラ未払い問題だけでなく、アランドロンと映画で共演するために欠場の意向と事前に伝えていたにも関わらず、契約解除をチラつかせられ不本意のまま大会に出場した経緯があるため、当時のトップであった谷川貞治氏へのネガティブな感情の方が強いのかもしれません。
天田ヒロミ
「谷川さんがやるようになってk1は駄目になっていった」
レイセフォー
「谷川は最初からK-1に居たわけじゃないから傾き始めた時に再建する方法を分かってなかった。そして結局崩壊してしまった。k1崩壊は石井より谷川の責任が大きい」
「石井は俺に借金がないが谷川はある。払うかねがないのに大会を継続させるのは非難されるべき」
(厳密には谷川氏本人ではなく彼が代表を務める団体への借金でしょうか。また谷川貞治はレイセフォーについてはギャラを払っていると反論)
佐藤嘉洋
自分が地味と言われていたのは谷川さんの責任。
前田日明
谷川はグレたキューピー
桜庭和志vsケスタティス・スミルノヴァス戦後に谷川貞治に「桜庭を殺す気か」と激高。
(谷川氏は私がやったんじゃないと反論)
ボブ・サップ
著書「野獣の怒り」にて谷川批判を展開。
秋山成勲
「FEG側(谷川代表)には強い相手との対戦を望んだのに、マッチメイクを実現してくれなかった。弱い相手と対決することを望むならDREAMに残っただろう」
これについて谷川貞治は、むしろ秋山側が強い相手に難色を示したと反論。
とにかく選手達に嫌われていました。格闘技ファンにも評判はよろしくなく、桜庭和志が秋山成勲ヌルヌルの反則をやられた試合で、秋山の反則負けではなく無効試合となったことで完全に信頼を失った印象があります。
選手から嫌われている理由は
嫌われている理由は、選手側からみたプロデュース能力の欠如とギャラ未払い問題に起因していると思われます。この方は元来人たらしでサダルンバと呼ばれ業界では愛されキャラだったようですが、さすがにノーギャラはどうにもなりません。金払いの良かった石井館長との落差も選手には堪えたかもしれません。
ただし谷川氏を庇うわけではありませんが、石井館長が退いたとはいっても谷川Pは傀儡にすぎず、実権は石井和義にあったとする見方もあるため、後ろ盾も本人のキャラクターも弱腰な谷川貞治に選手側も文句を言いやすい背景もあるのかもしれません。
あとは元選手ではないため、舐められているような気もします。
サッカーや野球でもその傾向はあります。(一時期はモウリーニョなどほぼプロ経験のない名監督が台頭したものの、実績を残せなくなるとすぐ選手に見放されてしまいました。)
石井館長との関係
石井館長はk1が崩壊した原因は谷川貞治氏にあると、少なくとも表向きにはそう解釈できる見解でいるようです。
以前インタビューで以下のことをおっしゃっていました。
「K-1倒産」とマスコミは騒いでいましたが、過去の財務諸表を見てもK-1イベントはトータル的にずっと黒字・・・Dynamite!も黒字。07年まで開催していたHERO'Sも黒字。
だったら潰れるはずがないのですが、実は総合のDREAMが赤字だったのです。
FEGの破綻の原因の第一はDREAMの大赤字それに伴う業務委託費、ファイトマネー・・・の増大にあります。この重大な事実が隠され、・・・谷川さん(の言い分)は稚気も甚だしい・・・
k1とDynamiteは黒字だったのに、DREAMのせいでk1も立ち行かなくなり倒産に至った、というのが石井館長の見解です。
一方谷川氏による、FEGによる運営期間中もk1の権利は石井館長が持っていたとと、k1崩壊後の著書で主張しており、現在二人は袂を分かち、以前のような良好な関係性ではないと見受けられます。
巌流島の成功と失敗
巌流島はコンセプト自体は悪くなく、UFCというレベルが高すぎる団体では活躍が難しいけど、プロとしての実力は十分で名前もそこそこ知られている選手達の受け皿となり、イベントとして成立する程度の盛り上がりは見せていました。
しかしながら谷川貞治氏曰く「フジが別の格闘技イベントと契約したことにより打ち切り」により、フジテレビNEXTでの継続されていた放送は無くなり、資金力を失った巌流島は結局ここ1年音沙汰がありません。フジテレビ側は谷川氏の主張について反応していませんでしたが、「RIZIN」が2015年の大みそかからフジテレビにて放送開始となり、谷川氏の主張の一部を裏付ける結果となっています。
この経緯については東スポでも記事になっています⇒https://www.tokyo-sports.co.jp/prores/423085/
CSといえど放送媒体のバックアップの有無では資本に大きな差が出てしまいます。PRIDEもフジに見放され崩壊していました。谷川貞治氏からするとRIZINと榊原信行は目の上のたんこぶ的な存在かもしれません。
借金と自己破産
FEG社長時代の借金で自己破産の手続きに入ったと報道がありました。
谷川貞治さんも認めていると新聞の記事にあります。
谷川貞治だけでなく、同時期にこの界隈で有名になっていた山口日昇、吉田豪、堀江ガンツ氏、高田延彦、彼らの運命を分けたのは、格闘技イベントの運営に関与するか否かの判断です。谷川貞治と山口日昇は運営にも首を突っ込んだため、ブームの時は羽振りが良かったものの、k1やプライドの崩壊により莫大な借金を背負ってしまいました。
一方ライターや解説者にとどまった高田延彦や吉田豪などは、一切負債を背負うことなく、現在も業界で活躍されています。
k1崩壊は谷川貞治のせいなのか
よく総合格闘技のPRIDEと混同される方もいるのですが、崩壊の原因は全く異なっており、PRIDEはヤクザ問題でフジテレビが撤退したことが最大の原因です。
一方k1の崩壊原因は、
①曙やチェホンマンなどによる所謂モンスター路線に傾倒しすぎてしまったこと
②魔裟斗など一部日本人選手をマッチメイクや判定で露骨に優遇しすぎてしまい、純粋なキックボクシングファン離れを加速させたこと。
この2点に尽きます。
モンスター路線は劇薬で一時的なカンフル剤にはなりますが競技性は損なわれますので、継続していかなければいけないイベントで多用するべきではありませんでした。PRIDEの金子賢のように前座で頻度も抑える程度であれば違う未来があったかもしれません。
また日本人の過剰な優遇は格闘技ファンからすると興ざめしてしまいました。
これらの方向性は石井館長時代とは明らかに異なるので、実権がどの程度あったか外野には理解しがたい事情があるものの、一応はトップとして一定の発言力があったあと推察される谷川貞治氏にそれなりの原因があったと考えるのが自然である気がしています。
PRIDEはUFCの急成長により、ヤクザ問題がなくとも恐らくはいずれ崩壊していた可能性は高いですが、キックは日本国内の地上波をバックとした資金力で十分外国の団体に対抗できていたはずなので、この自滅ともいえる崩壊激は無念であります。旧k1が存命であれば、今でもレベルの高いヘビー級の戦いが日本でも見ることができたかもしれません。
残念ではありますが、一時期はいい夢を見せてもらったのも事実です。谷川貞治さんもイベンターとして他の方にはないセンスがあるのも事実でしょう。またいつの日か復活し魅力的なイベントともに我々の前に姿を現してくれることを期待しています。