辰吉丈一郎さんの現在について
辰吉丈一郎さんといえば、恐らくは日本人の男性を最も熱狂させたボクサーで、平成初期の日本ボクシング界は彼を中心に動いていました。世界王者に2度返り咲き、階級は違いますが畑山隆則さんなどは辰吉丈一郎さんのテレビで活躍を見て、ボクシングの道に足を踏み入れたと尊敬していました。(後に畑山とは仲違い⇒和解)
引退し解説者等第二の人生を歩み始めるんだろうなと誰もが思っていましたが、辰吉丈一郎は燃え尽きていないのか、まだ引退すらしていない状況です。現在はどうされているのでしょうか。
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辰吉丈一郎の現在
今も現役ボクサーを名乗り、ロードワークなど練習を続けておられるようです。
2019年12月の辰吉丈一郎さん。息子の辰吉寿以輝(じゅいき)さんが日本ランキング入りした試合について「どんくさい」と愛のムチでコメントされていました。
ボクシングの世界チャンピオンと言えば強い男の頂点なんですが、そんな辰吉丈一郎が語るから重たいなあ。男こそ家事が出来なきゃなんだよね。#料理男子 pic.twitter.com/Aa7z643GNA
— 🇰🇷金色alone🇯🇵 (@gachimuchi69) 2020年2月5日
こちらは2018年時点の辰吉丈一郎さん。この辺が最新のメディア出演です。白髪交じりになっていますが、眼光の鋭さは健在です。
こちらは2016年の辰吉丈一郎さん。嫁のるみさんが松平健さんのファンだそうです。松平健さんの出演番組について何か知っているか聞かれ、「お馬さんに乗ってる」とさすがの返答をしていました。
唯一心配なのはその呂律ですかね。パンチドランカー症状ではないかと心配するファンも少なくありません。嫁のるみさんは辰吉丈一郎さんの意思を尊重し、引退にはさほど反対していないようです。
ボクサー辰吉丈一郎を解剖 才能と実力・・人気は絶大
ややボクシング的にマニアックな話になります。
ボクシングやスポーツに限った話ではないですが、才能と実力は似て非なるもで、辰吉丈一郎はその乖離が特に顕著だったボクサーとも言われています。
まず才能は誰が見てもピカ一でした。歴代の日本人ボクサーの中でもトップ5には間違いなく入るでしょう。
元世界王者の渡嘉敷勝男さんも、才能だけならば井上尚弥、具志堅用高、辰吉丈一郎らを歴代の日本人で最上位だと評していました。
才能は歴代ベスト3
その才能がどれぐらい凄いかというと、ファイティング原田以後では具志堅用高と並んで最高の評価を受けていた実質統一世界王者の渡辺二郎さんと、デビュー前にスパーリングを行って辰吉さんが優勢に戦っていたぐらい最初から図抜けていたそうです。
(渡辺二郎さんは凄いやつが来た、絶対世界王者になると渡嘉敷勝男さんに語っていたそうです。また渡辺二郎さんが引退する一つのきっかけになったとも言われています)
20代前半のころのシャドーとミット打ち動画。
とにかくハンドスピードが半端じゃないです。加えてリーチもスーツを特注するほどの長さで、ボクサーとして理想的な体型に突出した運動能力を搭載していた印象です。
どれだけ凄い世界王者になるのかボクシングファンは大いに期待しましたが、実力的にはやや物足りない成長曲線を描くことになります。
実力は日本人世界王者でも平均レベル
デビュー前後にあれだけ評価していた渡辺二郎氏も、後年はあまり伸びなかったと評していたそうです。一部では実はあまり練習していなかったというウワサもあります。
(トレーナーは西原健司、島田信行、大久保純一郎。大久保純一郎さんとは薬師寺保栄戦後に袂を分かち、サラゴサ戦の後に亡くなってしまってしまいます)
才能に実力が伴わなかった原因として、良く指摘されているのはそのボクシングスタイルです。アウトボクシングに適した能力であるにも関わらず、ガードを下げて正面から打ち合う戦い方は当時から現在に至るまで、技術的にはネガティブに語られることがほとんどです。
しかしながら渡嘉敷勝男さんなどは、ガードを上げたからといって良くなるとは限らない、下げているボクサーにはリズム感や緊張感を向上させるための意味があると、この点については否定していました。
(渡嘉敷さん的には最初のトレーナーと父の粂二(くめじ)さんがいなくなったことが伸び悩んだ原因と言っていましたが、粂二さんが亡くなったのは1999年のことなので、信憑性はちょっと怪しい)
個人的には帝拳ジムが辰吉丈一郎の才能を持て余してしまったこと、あとは辰吉自身も己の肉体の才能を活かし切れなかった印象です。もう少し柔軟なAIであれば、もっと良いパフォーマンスを発揮できたはずです。
人気は日本歴代でもベスト1
視聴率的には亀田興毅に軍配が上がりますが、あちらは話題性先行で負けを望むアンチも多数いました。本当の意味での人気は辰吉丈一郎は日本人歴代1位といっていいと思います。(大場政夫さんも凄かったようですが)
才能とは不一致のボクシングスタイルだったのかもしれませんが、不世出の人気ボクサー辰吉丈一郎のためにその代償が必要でした。プロボクシングは興行であり、リングでの強さだけが全てではありません。そういう意味では辰吉の選択は正解だったのかもしれません。
嫁のるみさんが美人【画像】
80年代アイドルより辰吉の嫁の方が綺麗 pic.twitter.com/UYpJs9eck8
— 114514日後に死ぬ淫夢くん (@2332300zx23) 2016年5月1日
辰吉家の「常識」
世間の「非常識」ボクシングと嫁を愛する
純粋すぎる男
そんな男の生き様が
大好きな女夫婦の形は様々だけど…
幸せそうだなぁ#辰吉丈一郎 pic.twitter.com/XTsfYGZ1g0— ハレルヤ17🌈Mちゃん.•*¨*•.¸¸♬ (@YoungSaengluv17) 2018年5月4日
若い頃から今に至るまで本当に美人です。そんな嫁のるみさんは40歳を過ぎたときのインタビューで「話はつまらないけど(笑)。誰にも渡さない。」とその愛を表現されていました。
ちなみにお二人の馴れ初めは、喫茶店で働くるみさんを客として訪れていた辰吉丈一郎さんが一目惚れして口説き落としたそうです。「ボクサーの嫁は美人」というイメージはこのお二人から始まった気がします。
息子二人もプロボクサー
長男の辰吉寿希也さん、次男の辰吉寿以輝さんがプロボクサーです。長男の辰吉寿希也さんの方が先に二世ボクサーとして注目されていましたが、どちらかというとお母さん似で、強さを感じさせるまでには至りませんでした。
今現在注目されているのは次男の辰吉寿以輝さんです。
正直言うと現時点ではまだ日本王者になれれば御の字という実力に見えますが、デビュー当時に比べると相当強くなっているので、伸びしろを考えると将来的に世界タイトルマッチもあるかもしれません。筋肉質でパワーもありそうで期待してしまいます。
他ボクサーとの関係 仲が良いボクサー
彼に憧れてボクシングを始めた畑山隆則さんなどは、さんまのまんまに出演した際、「今の辰吉なんて左手だけで勝てる」と、あの何でもありのさんまが少し動揺するぐらいの発言をしていました。
畑山が世界王者になった時に、辰吉を真似て誰かが電話したことで仲が拗れたとなっていますが、このころの畑山は絶頂期だったのやや天狗になっていたとしても不思議ではありません。(階級が違うので対戦アピールの挑発行為ではないはず)
なお今現在は関係修復し、「辰吉さん」とさん付けで呼ぶようになっています。
こちらはファイトマネー1億円以上と言われている国内ビッグマッチを演じた薬師寺保栄さんとの対談。当時はライバル関係でしたが今は雪解けし普通に会話しておられます。
薬師寺さんは1Rから目を狙い、辰吉さんはその作戦に気付いていたそうです。才能では明らかに辰吉さんが上ですが、基本に忠実な薬師寺さんと、あとはトレーナーのマッククリハラさんの手腕により、最終的には薬師寺保栄さんが判定で勝利しています。(試合後マッククリハラさんは「ロックンロール」と謎の絶叫をしていたそうです)
あとは竹原慎二さんとはガチンコで共演していますが、ヤラセと知らなかった辰吉さんが収録語に番組スタッフに激怒した経緯があったそうです。当時の竹原さんは世界王者になったにもかかわらず、日サロでバイト生活と悲惨な状況だったので、ガチンコへの出演は致しかたないものがありますが、辰吉さんからすると邪道に映ったかもしれません。
一番仲が良いボクサーは戎岡彰さんですかね。ガチンコでも一緒に出演されていました。今は独立し兵庫県でボクシングジムを運営されています。 今でも家族ぐるみの付き合いが続いているとインタビューで戎岡さんがおっしゃっていました。
ベストバウトは
ベストバウトはシリモンコン戦かグレグリチャードソン戦ですかね。前者は娯楽的に、後者は技術的な意味で最高峰の辰吉を見せてくれました。
シリモンコン戦は圧倒的不利の下馬評でしたが、見事にボディで世界王者に返り咲きました。シリモンコンは減量苦で調整不足の指摘もありましたが、それでも辰吉は見事な試合展開でした。
グレグリチャードソン戦はとにかく辰吉のスピードが速く、最短での世界ベルト奪取ということもあり、日本のボクシングファンを本当に期待させてくれました。その他日本ランカー時代の試合をベストバウト、渡辺二郎さんとのスパーリングをベストバウトを考えるマニアもいるようです。
その後のボクサー辰吉ですが、2009年タイでの試合が最後です。引退はされていませんが実質引退状態ではあります。意外とナイーブなところもあるので、引退する勇気がないのかもとやや意地悪なことを思ったりもしていますが、全盛期の輝きが色あせることはありません。以上辰吉丈一郎さんの現在でした。