アトランタ五輪で銅メダルを獲得した競輪選手、十文字貴信の現在について
96年アトランタ五輪銅メダルの #十文字貴信 が引退 #アトランタ五輪 #競輪 #keirinhttps://t.co/yzJwKuAQnT
— 日刊スポーツ (@nikkansports) 2019年1月16日
2019年に引退を表明。
アトランタ五輪でメダルを獲得した華々しい活躍の印象が世間一般には強いでしょうが、彼の競輪人生は怪我との戦いでした。
何度か怪我による離脱と復帰を繰り返していましたが、2017年10月2日の富山競輪で落車した際に、負った骨折の怪我で長期離脱。結局そのまま無念の引退となってしまいました。
生涯獲得賞金と通算成績
通算成績は1512戦186勝、優勝22回。通算獲得賞金5億4305万1400円です
(競輪界で歴代1位の神山雄一郎が28億、2位山田裕仁が19億、10位武田豊樹が14億5千万円ぐらい)
身体能力は図抜けていましたが、競輪に必要な駆け引きや勝負勘に物足りない印象があります。2011年には13年ぶりにG3グランプリで優勝されましたが、G2、G1、GPでの優勝を果たすことはできませんでした。
アトランタオリンピック
彼の名前を一躍有名にしたのがアトランタオリンピックでの銅メダル獲得。
まだ21歳であった十文字貴信は、「とりあえず自己ベストを出して帰ってきたいな」という軽い気持ちでオリンピックに出場しました。
(とはいえ選考会となったタイムトライアルでは神山らを抑え圧倒的一位)
そのリラックスぶりが功を奏したのか、プロの競輪選手として初の銅メダル獲得。プロ競輪のイメージと知名度向上につながったため、アトランタオリンピック以降、日本自転車振興会および日本競輪選手会は、タイムトライアル競技の国際大会への参加を積極的に行うようになります。
競輪とタイムトライアルは別競技
本業の競輪では、アトランタ五輪に共に出場した神山雄一郎とは「アトランタホットライン」を形成し、神山雄一郎の勝利に相当貢献しました。
このように神山にいいように扱われ、最後には転倒している十文字。生涯獲得賞金5億は立派ですが、大きな怪我がなければ、この3倍は賞金を獲得できたと思います。
尚十文字は自転車競技に対して、「競輪と1000mのタイムトライアルは、全く違うもの」と冷静に分析しておられました。
タイムトライアルでは十文字の足元にも及ばなかった神山に競輪では及ばなかった十文字、身体能力だけじゃなく、駆け引きや勝負勘、レースに必要な人間関係の構築も競輪においては必要なのでしょう。
結婚
http://www8.plala.or.jp/james7/kawai/jumowed.htmlより引用
アトランタ五輪直後には柔道の田村亮子とも熱愛のウワサがありましたが、十文字自身は中学生時代の同級生と、平成10年にご結婚されました。
彼女が十文字のいる中学に転校、最初は違うクラスだったそうですが、高校に進学後、いつも自転車で登下校していた十文字少年が、雨のため電車で下校した際、駅で再会し交際がスタートしたとのこと。
177cm 83kgとスタイル抜群のスポーツマンですから、銅メダル獲得直後はモテモテだったと思いますが、こんな素敵な同級生の恋人がいれば浮つくこともなかったんでしょうね。
学生時代は落ちこぼれ
取手第一高等学校では高校総体で優勝するなど期待されていましたが、日本競輪学校での成績は75人中66番目とかなり下の方だった十文字選手。
技能試験免除での入学だったので、多少の負い目はあったかもしれませんが、すぐに追いつける自信はあったそうです。
その言葉通り、デビュー後数か月でS級に昇格し、アトランタ五輪でのメダル獲得とトントン拍子に競輪選手としてのスター街道を駆け上っていきました。日本競輪学校で燻っている生徒にとっては、励みになる存在でしょうね。
引退のコメント
実は引退に関してご本人のコメントがありません。
先日のテニスのマレー選手もそうですが、怪我で不本意な精神状態でまだ発言する余裕がないのかもしれません。
先輩の神山雄一郎選手は
「ええっ!? 本当ですか。全然知らなかった。でも、体のことだから仕方がない。(ナショナルチームで)世界も一緒に回った間柄だし、寂しいですね」
とコメントを残されています。
その内十文字選手も落ち着いたらメディア向けにコメントを残されるのではないでしょうか。
十文字貴信の今後
競輪選手のセカンドキャリアといえば、競輪場の職員やガードマン、競輪場の検車や施設の運営スタッフ、売店スタッフなどそれなりに充実してはいますが、十文字選手の場合、知名度があり顔も良い部類なので、自転車競技の解説者としても需要はあると思います。。
ただとにかく怪我が多い選手で、最後に負傷した膝だけでなく、腰にも大きな爆弾を抱えていたので、まずは日常生活に支障がない程度にまで体を治療して、ファンに元気な姿を見せて欲しいですね。